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丸茂 和樹*; 斉藤 拓巳*; 原賀 智子; 渋川 雅美*; 齋藤 伸吾*
no journal, ,
フミン酸は環境中に普遍的に存在する不定形有機高分子であり、環境中の有害重金属や放射性金属イオンと錯形成し保持媒体となることでそれらの動態を制御している。そのため、土壌や河川の環境評価や放射性廃棄物処分の安全評価において、フミン酸による金属イオンの保持挙動の解明が重要である。本研究では、二次元ゲル電気泳動法と分光法を組み合わせた新規分析法を開発し、複雑な混合物であるフミン酸からテルビウム, ウラニル, キュリウムおよびトリウムイオンと強く結合する成分の分子量分画を特定した。また、テルビウムイオンはフミン酸との錯形成によって超分子錯体として存在することが明らかとなり、環境中での拡散はフミン酸によって抑制されることが示唆された。また、キュリウムやトリウムはテルビウムと同様の傾向を示したが、ウラニルは超分子錯体を形成しないことがわかった。本研究結果より、金属イオンの電荷および配位座の違いによってフミン酸による金属イオンの保持挙動が大きく異なることが明らかとなった。